人体計測

全身形状計測から皮下組織計測まで

高密度なグリッドパターン検出によるワンショット動体形状計測
OneshotScan プロジェクタ-カメラシステムによる構造化光の投影による形状復元を,動的シーンに適用するには,複数パターンの投影を行う方法より,1 パターンのみの投影を行うワンショット手法が望ましい.著者らは,その解決手法として,縦横の線からなるグリッドパターンの交点を用いたワンショット形状計測法を提案してきた.従来手法では,交点情報のみによる解には曖昧性があり,一意に解を決めるには線間隔の粗密といった追加情報が必要であった.本論文では,2 台のプロジェクタから縦横の平行線を投影することで,追加情報無しに交点のみから一意解を得る手法を提案する.このようなシステムでは交点のみから,線形解法によって一意に解を決定することができるため,線間隔に粗密をつける必要がなくパターン密度を上げることが可能となる.さらに,複数のプロジェクタを用いることによって,パターンが遮蔽されて形状計測できない部分を大きく減らすことが可能である.
  • 発表
    1. Hiroshi Kawasaki, Ryo Furukawa, Ryusuke Sagawa, Yuya Ohta, Kazuhiro Sakashita, Ryota Zushi, Yasushi Yagi, Naoki Asada, "Linear solution for oneshot active 3D reconstruction using two projectors", In In Proc. Fifth International Symposium on 3D Data Processing, Visualization and Transmission, Paris, May, 2010.
    2. Ryusuke Sagawa, Yuya Ohta, Yasushi Yagi, Ryo Furukawa, Naoki Asada, Hiroshi Kawasaki, "Dense 3D Reconstruction Method Using a Single Pattern for Fast Moving Object", In Proc. 2009 IEEE 12th International Conference on Computer Vision, pp.1779--1786, Kyoto, Sep., 2009.
    3. 大田雄也, 佐川立昌, 古川亮, 川崎洋, 八木康史, 浅田尚紀, "Belief-Propagationによる高密度なグリッドパターン検出及びデブルーイン系列を用いた高速動物体のロバストな三次元計測手法", 電子情報通信学会論文誌 D, vol.J93-D, no.8, pp.1544-1554, 8月, 2010.
    4. 阪下和弘, 大田雄也, 頭師陵太, 古川亮, 川崎洋, 佐川立昌, 八木康史, 浅田尚紀, "複数プロジェクタを用いたワンショット動体形状計測のための線形解法", 第13回 画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2010), pp.633--640, 7月, 2010.
    5. 阪下和弘, 大田雄也, 川崎俊央, 佐川立昌, 古川亮, 川崎洋, 八木康史, "複数台のプロジェクタ・カメラを用いた動きのある物体の3次元形状計測システム", 第16回画像センシングシンポジウム SSII2010, 6月, 2010.
    6. 阪下和弘, 大田雄也, 頭師陵太, 古川亮, 川崎洋, 佐川立昌, 八木康史, 浅田尚紀, "2台のプロジェクタを用いたワンショット形状計測システム", 情報処理学会研究報告 UC研究会, 情報処理学会, 6月, 2010.
    7. 佐川 立昌, 大田 雄也, 古川 亮, 川崎 洋, 八木 康史, "デブルーイン系列とBelief-Propagation を用いた高密度ラ インパターン検出による高速動体の3次元計測手法", 電気学会 一般産業研究会予稿集, pp.47-52, 徳島, 12月, 2009.
    8. 大田雄也, 川崎俊央, 佐川立昌, 古川亮, 川崎洋, 八木康史, "デブルーイン系列とBelief-Propagationを用いた高密度ラインパターン検出による高速動体の3次元計測手法", 第12回 画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2009), 7月, 2009.



顔肌の質感計測
FacialSkinMeasurement 人間の肌の特徴は年齢や性別によって異なる.本研究では年齢や性別によって異なる肌の特徴を約1000 名分の幅広い年代から得た大規模データベースを基に統計的に解析することで,肌に入射した光の反射・散乱特性が 個人によってどのように異なるのかを調べることを目的とする.肌は半透明であり,肌への入射光は,表面で反射す る反射光と肌の内部に入り込む散乱光の性質の異なる2 つの成分に分かれる.まず肌を撮影した画像を反射光成分と 散乱光成分に分離し,両成分の比率を調べることで主に透明さを解析する.さらに反射光成分を拡散反射と鏡面反射 に分離し,鏡面反射の強度を調べることで主に肌の脂っぽさを解析する.実際に肌の特徴を計測するために3 台のプ ロジェクタと2 台のカメラからなる計測システムを構築し,幅広い年代の男女の肌データを計測した.計測したデー タを用いて反射光と散乱光から特徴量を抽出し,性別や年齢の違いによる肌の特徴を統計的に解析した.
  • 発表
    1. 馬場葉子, 向川康博, 八木 康史, "化粧と肌の2層構造からなる化粧肌反射特性モデル", 第13回 画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2010), 7月, 2010.
    2. 馬場葉子, 間下 以大, 向川康博, 八木 康史, "大規模データベースを用いた肌の反射・散乱光の統計的解析", 第12回 画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2009), 7月, 2009.
    3. 馬場葉子, 間下以大, 向川康博, 八木 康史, "反射・散乱特性に基づいた肌の統計的解析", 情報処理学会研究報告, 情報処理学会, no.2009-CVIM-167, 京都, May, 2009.



オンライン歩容個性計測
online gait measurement 本論文では, 視聴者参加型デジタルエンタテインメントで用いるための歩容個性をオンライン計測し, 歩容個性をCG キャラクタへ反映する手法を提案する. まず歩容映像から容易に歩容シルエット画像列を抽出するため,クロマキー用背景及び照明を含む歩行路で構成されるオンライン歩容計測装置を設計する.次に, 得られたシルエット画像列から, 体型や身長のような歩容動作とは独立な静的特徴と, 歩幅や腕の振り幅のような歩容動作に関わる動的特徴を計測する. 一方,あらかじめ様々な歩容個性を持つCG キャラクタの体型と動作に関するパラメータをモーションキャプチャ等を用いて抽出し, そのパラメータによる合成シルエットを作成し,それらの対を標準モデルとして登録しておく.最後に,標準モデルをブレンドして視聴者の歩容個性を再現するために,標準モデルから抽出した歩容個性の重み付き線形和とオンライン計測した歩容個性の誤差を最小にするように重み(ブレンド率) を推定する.実験では大規模歩容データベース100 人に対する歩容個性解析を行い, CG キャラクタへ歩容個性が反映されることを確認した.
  • 発表
    1. M. Okumura, Y. Makihara, S. Nakamura, S. Morishima, and Y. Yagi, ``The Online Gait Measurement for the Audience-Participant Digital Entertainment,'' Proc. of Invited Workshop on Vision Based Human Modeling and Synthesis in Motion and Expression, Xi'an, China, Sep. 2009. [PDF]
    2. S. Nakamura, M. Shiraishi, S. Morishima, M. Okumura, Y. Makihara, and Y. Yagi, ``Characteristic Gait Animation Synthesis from Single View Silhouette,'' Proc. of SIGGRAPH 2009 (Poster), New Orieans, Louisiana, USA, Aug. 2009. [PDF]
    3. 奥村 麻由, 槇原 靖, 八木 康史, 中村 慎介, 森島 繁生, ``視聴者参加型デジタルエンタテインメントのためのオンライン歩容個性計測'', 画像の認識・理解シンポジウム(MIRU2009)論文集, pp.1336--1343, 松江, 7月, 2009.[PDF]
    4. 奥村 麻由, 槇原 靖, 八木 康史, 中村 慎介, 森島 繁生, ``視聴者参加型デジタルエンタテインメントのためのオンライン歩容個性計測'', 情報処理学会研究報告, 情報処理学会, No. 2009-CVIM-167, No. 23, pp. 1--8, 京都, 6月, 2009.[PDF]