インタビュー / Interview

これまで偶数年開催のMIRUにおいて行われてきた若手プログラム。 第20回の記念大会となるMIRU2017においては、その慣習が破られる。 そんなMIRU2017若手プログラムについて、浦西実行委員長にお話を伺った。


本会議に食い込む若手プログラム

--- MIRU2017でも若手プログラムが行われるとは意外でした。
(浦西実行委員長)かつてMIRUの若手プログラムは、パターン認識・メディア理解研究会(PRMU)主催時のみに開催してきました。しかし若手育成のため、「若手の会」として2013年からコンピュータビジョンとイメージメディア研究会(CVIM)主催時にも行われるようになったのです。2017年はCVIM主催として3回目の若手向け企画になるのですが、今年からは名称もPRMU主催時と同じ「若手プログラム」となっています。

--- なるほど。呼び方を統一したんですね。PRMU主催時との違いはあるのですか?
(浦西実行委員長)若手研究者や学生で集まり、グループワークや講演の聴講を通じて学び、交流を深めるという目的はこれまでと変わりません。ただ、今回に関して、MIRU実行委員会からは、本会議にも食い込んでこいという要請があります。

--- 本会議に食い込むというのは?
(浦西実行委員長)若手プログラムでは、本会議とは別の時間・場所を設け、グループワークを行っています。そのため、プログラムにおける成果発表の場も若手プログラム内で閉じてしまっている状態です。これを受けまして、本会議に食い込む=本会議での発表を視野に入れて企画を進めてほしいということだと解釈しています。

「若手プログラムは通過点」
(浦西実行委員長)

若手プログラムは通過点

--- では、気になる企画内容について伺いたいと思います。今回、一番の狙いはどのようなものでしょうか。
(浦西実行委員長)今回の狙いは外に開き、未来に向く企画とすることです。具体的には、グループワークを若手プログラムで完結させず、その先も続けて進展させていける企画を考えています。

--- それはどのような意図で?
(浦西実行委員長)企画を考えるにあたり、実行委員で議論を重ねていたのですが、その中で「若手プログラムで終わってしまうのはもったいない」という話が出たのがきっかけです。例えば、MIRU2012の若手プログラムでは「若手の視点でMIRUを見る」と題して研究分野のサーベイを行ってもらったのですが、その時に集まったサーベイの質が大変高かったので、MIRU後に是非外部発表を…と各グループへの提言がありました。しかし、どのサーベイも実際に発表されることはなく、若手プログラムで終わってしまったんですよね。

--- なるほど、それは確かにもったいないですね。
(浦西実行委員長)なので、今回の若手プログラムは、プログラム中で最終成果を報告するのではなく、中間報告の場になる企画にすることを考えています。

--- 若手プログラムを通過点にしてほしいと。
(浦西実行委員長) そうです。

--- 具体的な内容は決まっているのですか。
(浦西実行委員長)やはり、研究者が集まってグループワークをするのなら…ということで、研究テーマを立ち上げ、発表まで持っていくという研究の一連の流れを実現させたいなと思っています。若手プログラムで新たな研究チームを作り、テーマを模索して、その成果を研究会だったり学会発表まで持っていきたいですね。参加者の負担は大きくなってしまうかもしれませんが、この取り組みにより共同研究が始まり、研究コミュニティが活発になればと期待しています。もちろん、難しい部分も多々あると思うので、実行委員の方でもサポートを固めていく準備をしています。

根底にあるものはこれまでと同じ

--- 面白そうな企画ですね。では、最後に参加者に対してコメントをお願いします。
(浦西実行委員長)はい、今回目指していることに対して、ハードルが高そうだと思う方もいるかもしれません。しかし 、そもそもの若手プログラムの目的は若手研究者や学生で集まり、議論を通じて交流を深め、人脈を広げるというところにあります。なので、自らの研究を始めたばかりの学生の方から、自らの研究テーマを若手研究者とコラボレーションして進めたい方まで、あらゆる若手研究者の参加をお待ちしております。MIRU2017の若手プログラムを一緒に盛り上げていきましょう。

--- 期待しています。
(浦西実行委員長)ありがとうございます。


今回のインタビューから、これまでとは一味違うプログラムとなるようで、期待が高まる。 MIRU2017での若手プログラムは研究コミュニティに旋風を巻き起こしそうだ。

* このインタビューは若手プログラム実行委員会の話し合いを元に作られたフィクションです。